2018-04-15

公共空間で読書することは羞恥心との戦いでもある。自意識過剰な拗らせ人間は読んでいる本を他人に見られることになんとも言えない恥ずかしさを感じてしまう。別に誰も自分が何の本を読んでいるかなんて気にしてなんかいないのに。

 

そのため、本屋で本を購入するときはブックカバーをつけてもらうよう頼んでいる。これらの本は読了後にブックカバーを外され、部屋の本棚、あるいは本箱に収納される。外されたブックカバーはというと、捨てられることなくまた別の箱に収納される。通販などで同じサイズの本を購入した時にまた利用するかもしれない。その時にために取っておいてある。

 

新書を一冊読み終えた。いつものようにブックカバーを外し、本を本棚に収めた。外したブックカバーをしまうために収納用の箱を開けると大量のブックカバーが入っていた。読書の跡がよくわからない形で残っていた。この習慣がついてから意外と本を読んでいたことに気付かされた。「毎回ブックカバーをつけてもらうのも物が増えるだけだし、ちゃんとしたブックカバーでも買うべきか」と考えていたが、箱の中身を見てちょっとだけ嬉しくなったのでこの習慣はもう少し続けることにする。

2018-04-01

Netflix で『あいのり:Asian Journey』と『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』を観るだけの日々が三日続いた。今までは斜に構えてこの手の恋愛バラエティは観てこなかったが、実際に見てみると案外面白い。「男性/女性ならこうあるべき」みたいな古臭いジェンダー観は少々厳しいものではあった。どちらも基本的に脚本のあるドラマとして視聴しているけれど、世の中の若い男女ってあんな感じに憧れやら共感を抱いたりしているものなのか?鬱屈とした日々を過ごしている人間にはよくわからない。ともかく、なんとなく視聴したものが思いの外面白かったので、日常にノイズを取り入れる意味でも興味関心の薄いものにも一度触れてみることは重要なのかもしれない。

 

とはいえ、恋愛バラエティばかり見ていると元の生活に戻れなくなる気がしてきた。バランス感覚を取り戻すために『ブラック・ミラー』のS1E1を視聴した。気分が落ち込んだのでさっさと寝る。

2018-02-17

今年ももう1年の8分の1が過ぎた。1年の分母に8を持ってくるとなかなか感覚が掴みにくい。

 

なんとなく電車に乗りたい気分だったので乗って本屋まで。Kindleで読めない本はまだまだ多い。電子書籍化されていない本の中から気になっていたものを2冊選びレジへと向かう。途中、文庫本のコーナーに立ち寄ると、フラナリー・オコナーの短編集が並んでいた。文学に疎い私は、漫画家の豊田徹也による読切(ネーム)でフラナリー・オコナーを知った。以前調べた時は絶版になっていたのだが、最近になって発刊されたらしい。別にAmazonでも買うことはできたが、この日文庫本のコーナーに立ち寄らなければ、復刊されたことに気づくことないまま売り切れてしまっていたのかもしれない。本屋のセレンディピティをしみじみと感じながらその2冊も手に取って会計を済ませた。

 

家に帰ると、本棚には新しい本を収めるためのスペースがないことに気づいた。本を読み終わる前に次々と購入してしまうため、気づけば未読の山が出来上がっている。あれ?以前も同じようなことを…

 

 

フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)

フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)

 
フラナリー・オコナー全短篇〈下〉 (ちくま文庫)

フラナリー・オコナー全短篇〈下〉 (ちくま文庫)

 

 

 

2018-02-05

1エピソード約1時間。1シーズン10エピソード程度。今何シーズンまで公開されている?

海外ドラマの新シリーズを見始めるハードルは高く、これはまとまった時間ができたら見ようと積み重ねていくうちに、もはや背伸びしても届かないほどの高さになってしまう。先週末にもNetflixで『オルタード・カーボン』が配信開始となり,さっそくマイリストの山に放り投げた。海外ドラマではないが今日も『クローバーフィールドパラドックス』が配信された。気にはなっている。積み上げていった山が高くて当分の間見れそうにない。

圧倒的な供給過多である。ありとあらゆるコンテンツが供給過多となっている。毎週新しいアルバムが何枚もリリースされ、何冊も漫画の単行本が出て、新しいドラマや映画が配信されている。そんな時代の中、興味のあるものすべてをチェックし、咀嚼して味わうためには、一回の人生では足りないように思えてくる。しかし、周りを見渡せば圧倒的にインプット量の多い人間があちらこちらにいるではないか。どういうからくりだ。

結局のところ、なんとなく見るのが億劫になっていることに尤もらしい理由をつけているだけなのだ。時間を作ろうと頭では考えていながら何の工夫も努力もしていない。意味もなくtwitterを眺めたり、こんな駄文を書いている暇があったら、さっさとシーズン1エピソード1の再生ボタンを押せ。

 

私的メモ:2017年に読んだ漫画

特に良かったものを備忘録として

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近藤聡乃『A子さんの恋人』

A子さんの恋人 4巻 (ハルタコミックス)

今面白い漫画は何かと聞かれたらまず初めに挙げる漫画。相変わらず近藤聡乃は絵が上手すぎる。大人たちが「また同じところをグルグル回ってしまう」と自覚していながらも、ぐずぐずと関係を引き延ばしてしまう人間臭さが良い。このループにどう決着をつけるのかが楽しみ。これまであいこのことがあまり好きじゃなかったけど、4巻の奔走っぷりとちゃんと一歩踏み出して関係を進めたところにグッときて少し好きになった。がんばれあいこ。支えろ山田。

 

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平方イコルスンスペシャル』

スペシャル 2 (torch comics)

『A子さんの恋人』と並んで毎話楽しみにしている漫画。一言で言ってしまえば日常的なスクールコメディなのだが、とにかくひとつひとつのセリフが良い。キャラクターごとの日常・リアリティや他のキャラクターとの関係性が会話のテンポやちょっとした言葉のニュアンスに表れていて、それが大きな物語のない会話劇の面白さを支えている。

 

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大童澄瞳『映像研には手を出すな!』

映像研には手を出すな!(2) (ビッグコミックス)

2017年の漫画といって真っ先に上がるのは『映像研には手を出すな!』だろう。パースの効いたセリフやページを大きく使った登場人物が描いた想像力溢れる設定画、シームレスに繋がる現実と妄想など、漫画表現としての新しさにも衝撃を受けたが、なによりも主人公たちのフェティッシュなこだわりと熱量。クリエーターのほとばしる情熱が詰まっている。

 

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板垣巴留BEASTARS

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

もう一つの2017年を代表する漫画。獣人たちの青春群像劇。トーンの使い方や描線が少年漫画的でもあり少女漫画的でもあり、その独特な雰囲気はチャンピオンの中でも異彩を放っている。不器用な主人公がもがきながら、動物社会の多様性や共存と向き合っていく様に心を打たれる。個人的には3巻に収録されているメンドリのレゴムの話が好き。

 

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西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

動物漫画といえば『北極百貨店のコンシェルジュさん』もよかった。西村ツチカの優れた画面構成やコミカルでキュートなキャラクターはそのままに(もちろんアップデートはされているが)、今まで以上にキャッチ―になっている。たまに読み返して心をほっこりさせたい一作。

 

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西村ツチカ『西村ツチカ短編集 アイスバーン

西村ツチカ短編集 アイスバーン (ビッグコミックススペシャル)

 

『北極百貨店のコンシェルジュさん』と同日に出た短編集、甲乙つけがたいが強いて言えば短編集の方が好み。少しひねったハートウォーミングな話、物語というよりはコントに近い。特に『ENGLISH CLASS』の底抜けに明るいノリが最高だった。2017年に出た2冊とも"ちょっと大きめサイズ"なのも嬉しい。

 

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朱戸アオ『リウーを待ちながら』

リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス)

アフタヌーンで『ネメシスの杖』や『インハンド』を連載していた医療サスペンス漫画の名手による新作。今回も医療サスペンス、題材はパンデミックもの。日常が徐々に崩壊していく緊迫感で、読んでる最中はページをめくる手が止まらず、読み終わるとぐったり疲れてしまう。同作者の『Final Phase』や元ネタのカミュ『ペスト』も時間を見つけて読もう。

 

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森泉岳土『報いは報い、罰は罰』

報いは報い、罰は罰 上 (ビームコミックス)

その独特な作画方法からなる絵によって常に不穏な雰囲気が漂っているゴシックホラー。物語と絵がこれ以上ないくらいにマッチしていて、漫画における絵の重要さを再認識した。装丁も良く、絵の不気味さも5割増しになるので紙の本としてずっと持っておきたい。

 

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森田るい『我らコンタクティ』

我らコンタクティ (アフタヌーンコミックス)

アフタヌーンで四季大賞をとってからずっと待ち望んでいた森田るいの単行本。凸凹コンビが自作ロケットを飛ばす物語で、良い意味でアフタヌーンっぽい。キャラクターの表情の良さとクライマックスのシーンが魅力的だった。次回作も楽しみだし、『お姉ちゃんの妹』も単行本化してほしい。

 

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斎藤潤一郎『死都調布』

まだ単行本化されていない漫画の中では『死都調布』が最も刺激的。バイオレンスが日常化した調布の乾いた空気、癖の強い線、心地よい飛躍。共感なんぞかなぐり捨てたむき出しの漫画。「CHAPTER.5 IN THE DOGG SOUP」が私的ベスト。夏に単行本も出るみたいで楽しみ。

 

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鶴田謙二『冒険エレキテ島』

冒険エレキテ島(2) (アフタヌーンコミックス)

6年ぶりの新刊。発売日が延期になるたび、このままずっと単行本が出ないんじゃないかと思った。鶴田謙二の高い描写力は2巻でも健在で、枠線の中に描かれた絵は何時間見ても飽きない。次の単行本が出るのはいつになるのだろうか?

 

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伊藤重夫『踊るミシン』

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クラウドファンディングの期間終了間際に駆け込み購入。一般的な漫画のように一つの縦軸に沿ってストーリーが進行せず、場面は唐突に移り変わり、いくつかの小エピソードは回収されずに終わる。何度か読んだが未だに全体像をつかみきれない(掴みきれるような全体像や物語の正しい解釈なんてないのかもしれないが)。固く糊付けされた本が柔らかくなるくらい何度も読み返そう。

 

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2017-12-30

実家に帰る。地元の人間関係を中心とした生活の話ばかり聞かされて気が狂いそうになる。低俗なうわさ話や愚痴くらいしか話題がないというよりは、久しぶりに会った人に対してもそうやってガス抜きをしなければならないほど余裕がないのかもしれない。話題に幅がないことの苦痛を久しぶりに味わった。

 

年内に手頃な達成感を得るために手をつけてなかった『ストレンジャー・シングス』の完走を目指す。とりあえずシーズン1を全話視聴し、今日の時点でシーズン2の4話。明日は丸一日空いているし達成できそう。緻密なストーリー構成もさることながら、ナードな少年たちのちょっとした会話が魅力的で良い。同じ Netflix で『ブラック・ミラー』のシーズン4も公開されたので、『ストレンジャー・シングス』を見終えた後の退屈な正月のお供にしよう。

 

年末感を無理矢理出すために1年の振り返りを始める。手始めに音楽から。Instagram にメモしていた今年聴いたアルバムを見返し,年間ベストアルバムのようなものを選ぼうとするも優柔不断でなかなか絞れずに時間だけが過ぎてゆく。悩んだ末に、リリースされてから定期的に聴き続けていて、今後もふとした時に再生したくなるであろうお気に入りを20枚選ぶ。自分が一番好きな日本のバンドである GRAPEVINE の『ROADSIDE PROPHET』もよく聴いたアルバムではあったが、前作『BABEL, BABEL』の方が好みであることや、まだこのアルバムの良さを味わい切れていない気がしたのことからベストからは外してしまった。Vo. の田中和将曰く"3年殺し、5年殺し"ぐらいのアルバムになっているとのことなので、『ROADSIDE PROPHET』の良さを3年後、5年後の自分が今以上に感じ取れるようにじっくりと時間をかけて付き合っていきたい。

 

ROADSIDE PROPHET(通常盤)

ROADSIDE PROPHET(通常盤)